ウィーン・フィルの心意気

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"感染対策は徹底した。
来日の際はファンと密に交流するのが常だが、
今回は接触禁止。
外食はおろか買い物さえ行けない。
出入国時には検査で陰性を確認し、チャーター機で来日した。
国内の移動は新幹線の車両を借り切るなどして、
ホテルもフロアごと押さえる。
追加費用だけで1億5千万円を超えるもようだ。"

今日の日経朝刊文化欄「ウィーン・フィルの心意気」から。
11月5日~14日に来日公演を開いた
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の舞台裏が描かれています。

"とりわけ思いがこもっていたのが
チャイコフスキーの交響曲第6番「悲(ひ)愴(そう)」だった。
10日にはコロナに苦しむ世界中の人に向けて献奏。
音楽が静かに閉じるとともに、黙とうをささげた。
音楽評論家の江藤光紀氏は「終楽章はすさまじく、
本当にもがき苦しむような苦悶(くもん)の表情が感じられた。
コロナで芸術界は本当に苦しい思いをしているが、
それを代弁するような意味合いがあったのでは」と指摘する。"

10日の公演は私も聴きましたが、
「強い意志と音楽を愛する心を持ち、この勇敢なアクションに臨んでいる。
(コロナという)今年生じてしまった様々な問題よりも、
音楽や芸術の力がいかに強いかということを私たちは示したい」
と語ったという指揮者ワレリー・ゲルギエフの
気持ちが伝わってくる熱演でした。感動しました。