ゲルギエフとウクライナ

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"「文化とスポーツを通じて現在のロシアの輝きを誇示し、
旧ソ連が体現していた精神的な一体性を西側に示し、
自らの魂の在りかともいえるウクライナを
いま一度『家族』として抱擁したい。
ソチ五輪はプーチンにとって、
そんな意思を世界に宣言する絶好の機会だった。
しかしその最中に、
『家族』であるはずのウクライナから、
のど元に刃(やいば)を突きつけられる格好になった。
この時の衝撃が妄執となり、
今回の決断の遠因となった可能性も
少なからずある気がしてならない」"

今日の朝日新聞朝刊文化欄の
「ロシアの音楽家、政治とのはざまで 
指揮者・ゲルギエフ氏、国外の職を続々降板」
から、
音楽評論家の片山杜秀さんの言葉です。

彼によると、
ウクライナの首都キエフは、
「9世紀にキエフ大公国が成立して以降、
ロシアとウクライナの双方を含む
東スラブの文化芸術のアイデンティティーの根源で、
ロシア人の精神的支柱でもあり続けてきた。
日本における平城京や平安京のような存在」
なんだそうです。

聖地の争奪戦のような側面もあるのですね。