三島由紀夫の天皇論

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"〈このまま行ったら「日本」はなくなってしまうのではないか
という感を日ましに深くする。
日本はなくなって、その代わりに、
無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、
或(あ)る経済的大国が極東の一角に残るのであろう〉"

今日の
日経朝刊文化欄のミニ連載「三島由紀夫 50年後の問い(2)」から。
1970年11月25日に自裁する約4カ月前に新聞に寄せた
「果たし得ていない約束」と題する文章の一節だそうです。

"社会学者で東京都立大学教授の宮台真司氏(61)は
作家の死に強い衝撃を受け、その意味を問い続けてきた一人だ。
「三島が捉えた日本の本質と彼が主張する天皇主義を理解する上で
この文章はとても重要」と考えている。"

日和見的な日本人の「空っぽ」を埋める存在が天皇であるという
三島の思想に宮台さんは強く共感するのだといいます。

"「日本人は敗戦後、一夜にして民主主義者に変わった。
近年では一夜にしてLGBT(性的少数者)主義者に、
ダイバーシティ(多様性)主義者になった。
日本人は周りを見回して自分のポジションを保ちたがる、
空っぽで入れ替え可能な存在だと三島は見抜いていた」"

なるほどと分かったような気になりますが、
なんだか考え方としては窮屈な気もします。