猛暑の中の葡萄酒造りとは?

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"最も劇的な変化は収穫日だ。...
80年は10月11日だった。
以降、収穫開始日は総じて年々早まり、
18年は最も早い8月27日。
03、07、11、15、17年も著しく早かった。"

今日の日経「The STYLE」の
ジャンシス・ロビンソン「ワインリポート」から。
現世代のワイン生産者が最初に経験した03年の猛暑と
18年を比較して分析しています。

彼女は、
醸造家が猛暑の中で育ったブドウの扱いに長けてきたこと、
ブドウの木も暑さに適応しつつあるように見えること、
などを挙げています。

そして、
ジャンシスが試飲した03年のワインの中で
最も素晴らしかったという
シャンボール・ミュジニー村の生産者
フレディ・ミュニエ氏の言葉を伝えています。

"03年のヴィンテージは
実に多くのことを教えてくれた。
...私は果皮の色を見て
まだ実が熟していないと判断し、
収穫を9月1日まで待った。
醸造も、いつものやり方でやった。
私が得た教訓は、
難しい年を醸造テクニックで何とかしようという
誘惑に駆られてはだめだということ。
味わいのバランスが崩れ、
生産年の個性を覆い隠してしまう。"

18年産を試飲したジャンシスの結論は、
ブルゴーニュの醸造家は
もう火膨れができるような猛暑の年を恐れていず、
「赤はアルコール分が高いため伝統的な味わいではなかったが、
白は間違いなく、さわやかでキレがあった」とのことです。