追悼・西健一郎さん

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今年の3月1日にお誘いいただいて、
「京味」に初めてお伺いすることができました。

もともと和食のコースが苦手なので、
どうしても行きたいというわけじゃありませんでした。

ですが、
料理をいただいてとても大きな衝撃を受けました。
もう一度伺ってから
考えを整理してみようかと思ってたので、
これまで投稿してませんでした。

さらにその後手に入れた本
『「京味」の十二か月』、『京味 季節の和食』
などを読み込んでから
もう一度いただきたいと思っていました。

この度、
西健一郎さんが亡くなったということで、
もう一度体験することができなくなったので、
考えをまとめてみようと思います。
まさに、一期一会ですね。

どの料理も温度が絶妙で、
出てくるタイミングが素晴らしい。
手間を全く惜しまない料理。
ほとんどが技術料と人件費だと思います。

西さんは、
みりんより砂糖の方が深みがあるとのことで
みりんを使わないそうです。

コースの中でいちばんビックリしたのが、
茄子のガクを調理(!)したという、"うてな"。
揚げてから煮ているらしいですが
これが一品になるという衝撃。
これは、
西さんのお父様の発案だったとか・・・。
「まだ季節がよくない」ということで
西さんは出しませんとのことでしたが、
食べさていただきました。

最後に、コースにはないのに、
炊いたご飯のお焦げに水を足して煮て、
ちょっと塩をしたお粥?を出してくれました。

「おいしいご飯を炊いたのだから、
これがいちばん美味しい」

と自ら作ってくれたのが最高でした。

「料理は食材じゃない。工夫だ」ということを
目の当たりにして感動しました。

ご冥福を心からお祈りいたします。

頂いたもの。
・先付
 うてな
 細魚と車海老、三つ葉の手綱寿司
 蟹の袱紗焼き
・ねいもの葛煮
・穴子の八幡巻
・津居山蟹
・ふぐ焼き白子、あさつき、冷やし餡掛け
・筍ぐじ挟みの天ぷら、せりの天ぷら
・明石鯛水前寺海苔
 めじまぐろ
・海老真薯椀
・蕨、湯葉
・子持ちヤリイカ
・若狭ぐじ焼き物
・鴨まんじゅう
・魯山人ご飯
・ハラスご飯
・お粥
・葛きり