骨折した指揮者

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ダニエル・ハーディング指揮
パリ管弦楽団の公演を観てきました。

前半は、
イザベル・ファウストのソロによる、
アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」。
オーケストラのカラフルな音色と、
ややハスキーな面を聴かせることのある
ファウストのよく伸びる音がマッチして幻想的で素晴らしかった。
アルマ・マーラーの娘を追悼するために書かれ、
かつベルクの遺作となった
この曲の真髄を表現していたと思います。

ファウストのアンコールはバッハ。
素晴らしい音色を聴かせてくれました。

後半のマーラーの交響曲第1番「巨人」は、
先日感動したゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルに
勝るとも劣らない出来。
「巨人」をこんなに立て続けに聴いたのは初めてです。
最後にいろんなメロディが戻ってきて
渦のようになるフィナーレの構造がよく分かりました。
あまりピンときてなかったこの曲がとても好きになりました。

アンコールの「エニグマ変奏曲」は、
オーケストラ音楽の素晴らしさを教えてくれるような
豊かな色彩感で楽しませてくれました。

やっぱり音楽を生で聴くのっていいですね!

追記)
書き忘れてましたが、ダニエル・ハーディングは
札幌公演の時に街で転倒して足首を骨折してました!
車椅子に乗って登場して、指揮台の椅子に座って指揮しました。
開始前のアナウンスによると
「指揮にはまったく影響ない!」とハーディングは言っていたそうです。
今日も、途中で立ち上がりそうになってましたね(笑)。