「ジークフリート」に感動した

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新国立劇場オペラハウスでの
「ジークフリート」を観てきた。
座席は1階11列2番。
後ろを気にせず観られるいい席だった。

主演歌手たちの歌も、
飯守泰次郎指揮東京交響楽団の演奏も素晴らしく、
少しも気になるところなしにストーリーと音楽に没頭できた。

演出は、
カジュアルな現代服での、
かなり人間臭いもの。
第1幕、第2幕は大蛇のギミック以外は
特別な仕掛けはなかった。

グリーンやブルー系の背景に、
小道具として
赤地に白の水玉模様の傘が小道具として出てきたり、
主役のジークフリートの服装が
パッと見でブルーのツナギ風だったりして、
ポッチャリ体型とも相まって
スーパーマリオを思い出しちゃいました(笑)。

第3幕は、
一変して舞台装置に力の入った凝った演出に。
ドラマチックな愛の二重唱が続くこともあって、
圧巻のクライマックスだった。
演出効果を考えて前半は抑えてたんですね。

全体に素晴らしい舞台だったと思う。
「ジークフリート」というと、
人気のある「ワルキューレ」とオーラスの「神々の黄昏」の間のツナギ、
というイメージで軽視してました。
でも、
全4作の最後に向かっての悲劇を孕みつつ、
ひとつのハッピー・エンドのラヴ・ストーリーで、
最後に向けての一直線の盛り上がりは感動的だ。

欠点は、
それまでの前日譚を知らないと、
キャラクターや関係性による
深みが分からないだろうということ。
それと、前半がやや地味ですかね(笑)。

10月の「神々の黄昏」がとても楽しみだ。