ガンガン弾きまくるハオチェン・チャン

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今夜は紀尾井ホールで、
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで
辻井伸行と共に優勝した、
中国人ハオチェン・チャンのピアノ・リサイタル
座席は1階9列15番。

●曲目
シューマン: 子どもの情景 op.15
シューマン: 交響的練習曲 op.13
   ***
リスト: 超絶技巧練習曲集 S.139から
      第5番「鬼火」
      第12番「雪あらし」
ヤナーチェク: 霧の中で
プロコフィエフ: ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 op.83「戦争ソナタ」
アンコール)
モーツァルト: ヴォロドス編曲「トルコ行進曲」
ショパン: ノクターン第20番 嬰ハ短調「遺作」
シューベルト: 即興曲集 Op.142 D935から
      第3番 変ロ長調  

前半は、
シューマンの子供の情景と交響的練習曲。
個人的に
シューマンが比較的苦手のせいもあって、
あまり感想はない(笑)。

後半は、
リストの超絶技巧練習曲集から「鬼火」と「雪あらし」。
ヤナーチェクの「霧の中で」。
プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」。

草食系のようなサッパリした外観のチャンは、
実はガンガン弾くのが真骨頂。
「雪あらし」の低音の速弾きはまさにあらしを感じさせたし、
プロコフィエフの最終楽章は、
パーカッシヴに音の塊が飛び交って、
ある意味で爽快。
山下洋輔、ひいてはセシル・テイラーは、
プロコフィエフのこの音楽から
フリー・ジャズの糸口を見出したのではないかと
邪推するほどの迫力だった。

弾きまくった後も
飄々と登場しては、
アンコールをこなすハオチェン・チャン。
弱音と強打の間に
もう少し響の色彩とグラデーションがほしい気がする。
欲張りでしょうか?

今夜いちばん感激した
プロコフィエフのソナタの最終楽章が
アンコールの記憶で薄まってしまったのが残念。
最近は、余韻に浸りたいので、
アンコールいらない派です(笑)。