ソール・ライターの"覗きの視線"

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渋谷に用があって時間があったので
Bunkamuraミュージアムで「ソール・ライター」展を観てきた。

ファッション誌で
リチャード・アヴェドンと対照的な写真を撮って活躍した後、
商業写真をやめてしまったカメラマンの写真展。

ファッション写真も含めて
スタジオではなくストリートで撮るのが彼の特徴。
大きな影響を受けた
アンリ・カルティエ=ブレッソンのスナップ的とも言えるし、
ガラスを通した映像は
ちょっとウジェーヌ・アジェの風景写真的とも言える。

特に「高架鉄道にて」と題された
上から下へのアングルや、
ポスターにも使われている「天蓋」のように
下から見通す"覗きの視線"が心に残る。

色数を制限したカラー写真の
赤い傘、緑の信号機なども印象的。
映像を切り取るセンスが素晴らしい。

「ソール、君はチャンスを避ける才能に恵まれてる」と、
ハーパーズ・バザーのアート・ディレクターに
言われたという彼の私生活の写真を見ると、
美しい女性ばかりが出てきて幸せそうです(笑)。

もともと自分は画家だと主張するソールの絵と
写真の全体像が観られる素晴らしい展覧会。
ぜひ観てみることをオススメします。

1階ギャラリーでは、
ロックがテーマの展示がされていて、
ストーンズの50周年ポスターはちょっと欲しくなりました(笑)。