カーラ・ヒルズ「私の履歴書」の?

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だいぶ長い間、
日本経済新聞の「私の履歴書」欄を愛読している。

しかし、今回の
カーラ・ヒルズ元米通商代表部代表の
シリーズはなんだかイマイチの出来だ。
翻訳のせいか、
原文のせいか分からないが、
「誰が誰に」が分かりにくい箇所が
かなりの頻度である。

今日の
   「松永氏らはこの翌日に予定していた大統領との会談で、
   日本への市場開放圧力を弱めるように進言するつもりだ、
   と伝えてきた。」
もちょっと分かりにくい。

この後で、
   「松永氏は対日圧力の緩和を
   大統領に直訴する構えを見せたのである。」
とあるので分かるが、
交渉相手に「進言」というのは分かりにくい。

それにもまして、
今回の「履歴書」で残念なのは、
反トラスト、公正取引ということに
カーラ・ヒルズという人が、
なぜ取り組むことになったのか、
なぜここまで情熱を傾けることになったのか、
生涯を賭けたテーマについての
彼女の個人的な考え方が
あまり記述されていなかったことだ。

それが土台にないので、
通商代表部代表としての決断の
深い考え方が分かりにくい。

翻訳者とまとめた日経記者の問題だと思うが、
ちょっと残念。

配偶者との出会いの機微も
あまり描かれていなかったのが
残念なのはもちろんだが・・・。