写真家・石内都

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"最後に平和記念資料館の遺品を見てびっくりしたんです。
それまではモノクロ写真の
地味なもんぺなどのイメージがあったけれど、
ワンピースなんか色がちゃんと残っていて、
デザインがカッコイイ。
私が1945年の広島にいたら着ていてもおかしくない。
あの日に身につけられていた衣服を中心に
撮影しようと考えました。"

今日の朝日新聞「語る 人生の贈りもの」から。
現在の語り手は写真家・石内都さんです。
写真を撮る意味を突き詰めた素晴らしい語りが読ませます。

"私の写真はきれいすぎるとも言われましたが、
被爆する前はもっときれいだったはず。
そもそも市井の人の服は75年も保存されない。
そのことを考えるべきです。"

頼まれて撮る仕事は写真を撮り始めて
すぐやめてしまったそうです
横須賀の風景、人の肌、衣装と、
人そのものではなくその背景にあるものの
気配を感じさせる写真が素晴らしいですね。

"まだ撮るべきものがあるし、新しい遺品も入ってくる。
私は米軍基地のある神奈川県横須賀市で育ち、
横須賀の写真でデビューし、広島の写真を撮っている。
戦後生まれの歴史がつながっているんです。"