"コロナが世界を襲ってから約1年間。
このありさまは医療や衛生体制にとどまらず、
日本の国家体制に欠点があるということだ。
その欠点とは平時を前提にした体制しかなく、
準有事になってもスイッチを切り替えられないことである。
日本という列車は単線であり、複線になっていない。"
昨日読もうと思ってじっくり読めなかった
日経新聞オピニオン欄の記事から。
以下は、
「近現代史の研究者らにたずねると、
戦前・戦中と現状の国家運営には少なくとも3つある」
という共通の欠点について。
"第1は、戦略の優先順位をはっきりさせず、
泥縄式に対応してしまう体質だ。
日中戦争もそうだった。
いったい何をめざし、ゴールとするのか。
政府の方針は明確でないまま戦いが広がり、
国民の支持も十分、得られなかった。
‥
優先順位が定まらない一因が、
言われて久しい縦割り組織の弊害だ。これが第2の問題点である。
ワクチン接種やPCR検査、コロナ病床の確保が滞る事情はさまざまだが、
「元凶のひとつが省庁間や中央と自治体の連携が乏しいことだ」(政府関係者)。
ワクチンでいえば、接種の管轄は厚生労働省、
自治体との調整は総務省、輸送は国土交通省だ。
各省庁に担当がまたがるのは米欧でも同じだろうが、
緊急時の調整力が日本は弱い。
‥
そして第3の欠点が、
「何とかなる」という根拠なき楽観思考である。
日本はなぜか、最悪の備えに弱い。
戦時中でいえば、
勝ち目が薄い戦争を米国に仕掛けておきながら、
明確な終戦シナリオを用意していなかった。
2009年の新型インフルエンザを受け、
国の総括会議は翌年、
感染大流行にそなえた提言をまとめていた。
保健所やPCR検査、ワクチン開発の強化などが並んだが、
たなざらしになった。"
ホントに「なぜ変わらない!」と叫びたくなりますね。
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