篠山紀信論:三島由紀夫

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"篠山氏は、写真を撮ってゐるとき、
あたかもテニスをやってゐる人のやうに見える。
それはひたすら重厚型の古典的写真家とは反対だ。
彼は助手たちを叱咤し、自ら飛びまはり、
モデルのまはりを狂人のやうに駆けめぐる。

そのときモデルはテニスのボールなのであり、
カメラは氏のラケットなのである。
モデルが静止してゐると思うのは、
テニスのボールの主観的感想にすぎず、
実はそれは氏のラケットではげしく打ち返されてゐるのである。
もっともむづかしい曲球を打ち返したとき、
氏は「撮れた!」と叫ぶ。
氏は勝ち、試合は終了したのである。"

今日アメリカから届いた
写真集「Yukio Mishima: The Death of a Man」
"篠山紀信論:三島由紀夫"より。
意外に、分かりやすいですね。
"ヌード写真の鎮静効果"についても書いています(笑)。