ゴッホの新イメージ

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"麦の穂や葉や茎が、
一本一本ていねいに描き込まれている。
穂は黄味(きみ)を帯び、緑に濃淡をつける。
それぞれの穂、葉、茎には、濃い藍が添えられ、
葉叢(はむら)の深みが感じ取れる。
風の騒(ざわ)めきが聞こえる。まっすぐな茎と、
てんでに曲線を描く葉は、まるで音符のようだ。"

今日の
日経文化欄「ゴッホ 新イメージ 十選」の
最終回「麦の穂」より。
ゴッホの生涯を貫くテーマとして
「草の芽の研究」を取り上げた連載でしたが、
新しい視点を展開して、読み応えがありました。

"「これは、緑色全体で一つの絵となる、緑の変奏曲、
一つの色価の変奏なのです」とゴーギャンへの手紙に書いたほど、
ゴッホにとって手応えのある作品となった。"