"たぶん僕のような職業の人間にとって、
人の頭が良いか悪いかというのは、
さして大事な問題ではないからだろう。
そこでは頭の良さよりはむしろ、
心の自由な動き、
勘の鋭さのようなものの方が重用される。"
今日届いた村上春樹さんの
『猫を棄てる』を一気に読んじゃいました。
といっても、わずか100ページほどの本ですが・・・。
主な内容は、副題の「父親について語るとき」が表していますが、
この言葉に引き寄せられました。
タイトルの「猫を棄てる」話が、通奏低音のように流れ、
最後は「松の木に登った白猫」の話で終わっています。
ここで幼い村上さんに「ひとつの生々しい教訓を残してくれた。」
という教訓についても書きたくなりますが、
それは読んでのお楽しみに・・・。
村上さんはエッセイが本当に上手です。
ところで、
村上さんのお父さんが
俳句を熱心に生涯詠んでいたというのは印象的でした。
兵にして僧なり月に合掌す
兵隊の頃に詠んだ句だそうですが、静かなトーンが心に沁みます。
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