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"かつて諸橋轍次は、
西洋の近代思想は弱肉強食の動物界を見て
生きる理念を立てているのに対して、
「東洋の上代思想は植物の世界を見て
イデオロギーを立てているのではあるまいか」と述べた"

今日の日経文化欄の
作家・飯嶋和一さんのエッセイ
「金色の小さき鳥のかたちして」より。
隠岐の巨樹や、麻布山善福寺の大イチョウについて
思いをめぐらしながら、
そのメッセージについて
諸橋轍次を引用して語っています。

"『大漢和辞典』の偉業を遺(のこ)した碩学(せきがく)は、
老子の「慈」も、孔子の「仁」も、終局においては同一に帰着し、
「草木を繁茂せしめるのと同じように、人と物とに接していく心」が「慈」であり、
「すくすくと育つ草木の美しい芽の姿に人の道を求めたら」どうかと説いた。"

「草木を繁茂せしめるのと同じように、人と物とに接していく心」
という考え方はいいですね。