"彼は、客が適当に開いた電話帳のページをその場で暗記する。
その後、客がランダムに氏名を尋ねると、
ノイマンがその電話番号と住所を答え、客が電話番号を尋ねると、
ノイマンが氏名と住所を答えるというゲームだった。
ノイマンは、そのページの6桁の電話番号の列を
すべて足した和を暗算で求めることもできた。"
PR誌「本」7月号の高橋昌一郎さんによる
連載「フォン・ノイマンの哲学」第2回より。
祖父が8桁の掛け算を暗算で解くという驚くべき能力(!)があった、
天才数学者ジョン・フォン・ノイマンの6歳の頃のエピソードです。
これだけでも驚きですが、
この回にはもっと驚くべき天才数学者ポール・エルデシュの話が出てきます。
"3歳で3桁の掛け算を暗算で解けるようになり、
4歳になると自力で負の数の存在を発見した。"
その後、「ブダペストの魔術師」と呼ばれたエルデシュは、
「同じベッドに1週間以上寝ることはない」と言われるように、
世界各国の数学者が提供した自宅の部屋や宿、
食事を与えられ共同研究をしたというのです。
"ノイマンと本質的に異なるのは、エルデシュが、
あらゆる世俗的成功の重荷から解放されて、
数学だけに人生を捧げた点である。
彼は、定職や役職に就かず、住宅も貯金も所有せず、
妻も子供も持たなかった。"
「私有財産は数学の邪魔」と信じ、
手に入った金は、
ほとんどすべて他人に配ってしまったのだそうです。
1ヵ月分の給料を受け取った彼が
駅で出会ったホームレスにその大部分を差し出してしまったり、
5万ドルの賞金を得た時にも生活に必要な720ドルを差し引いて、
残額すべてを奨学金財団に寄付したりしたのだという。
"エルデシュは、1996年に83歳で亡くなるまで、
500人以上の共著者とともに1500編以上の論文を発表した。
数学史上、これ以上の論文を書いた数学者は、
18世紀のスイスの天才数学者レオンハルト・オイラーだけである。"
引用が長くなりましたが、
これこそまさに"聖人"ですね。とても驚きました。
感動して涙が出そうになりました。
(引用はアラビア数字に変更しています)
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