『暴力と不平等の人類史』

"ある種のショックを受けるのは、
格差縮小に「貢献」したのは、戦争、革命、
国家の破綻、感染爆発という「四騎士」であり、
これに代わる再分配政策や教育といった
平等化の企てはほとんど成功していない、という指摘である。
...多くの暴力を伴うほど平等化は効果的になるという、
わかりやすい例は、20世紀の共産主義革命だろう。"

こんな怖ろしいことが書いてある本があるらしい。
昨日の日経読書欄、京都大学教授・根井雅弘さんの書評から。

"「極端なまでの暴力が、
日本社会の内部の極端なまでの所得と富の不平等を平準化した」、
「歴史的に見れば、平和的な政策改革では、
今後大きくなり続ける難題にうまく対処できそうにない」とまで言われると、
一抹の不安を感じてしまう。"

背筋がゾッとしますね。
確かに技術がいちばん進歩するのは戦争の時だし、
アメリカで女性の地位が向上したのも
第二次世界大戦の後方支援で女性がかなり活躍したため
と聞いたことがあります。

"歴史を振り返れば、政策によって平等化を実現するには
多くの困難を伴うというメッセージは重い。
論争を呼びそうな大作である。"