円熟味を増したユジャ・ワン!

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サントリーホールで、
ニューヨーク・フィルハーモニックのコンサートを聴いて来ました。

前半は、
ユジャ・ワンによるブラームスのピアノ協奏曲第1番。
これが凄かった!
第1楽章の終わりから、拍手をしそうになりました(笑)。
第2楽章で、ユジャ・ワンが繊細な旋律を弾いた後に
NYフィルのヴァイオリンが入ってくるところでは、
気持ち良さのあまり鳥肌が立ちました。
最終楽章は、彼女の得意なハイスピード演奏。
痛快・爽快にフィナーレまで弾き切りました。

ゴールドとブロンズの間のような
輝かしい体にピタッとしたロングドレスに
高いヒールの靴を履いて出てきた姿は、
以前よりスマートで、31歳の大人の洗練を感じさせます。
弾いている間も全く微動だにしないスクっと伸びた背骨、
磨き抜かれた肩から腕の筋肉、
強く打鍵する時のチーターのようなしなやかな動きは、
見てるだけで惚れ惚れします。

以前より、演奏の柔軟性、
しなやかさが増して音楽の幅を拡げていて、
これまで観たユジャ・ワンの演奏の中でも、
白眉の出来だったと思います。
アンコールも素晴らしかった。

後半は、
指揮者ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンの独壇場だった。
19歳でロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の
コンサートマスターに就任し、
20年後に指揮者に転じたというズヴェーデン。
小さい体ながら、
ストラヴィンスキー「春の祭典」のリズムと楽器の音色の饗宴を、
指揮姿も含めて、明快にコントロールして表現しつくしていました。
アンコールの「ワルキューレの騎行」も素晴らしい。

大編成のオーケストラによる迫力ある音も、
ライヴでなくては聴けないけれども、
眼前で演奏者が力を込めて弾く
弱音の凄さも体験させてもらいました。
やっぱり、生はいいですね!

コンサートの後は、一緒に聴いた仲間と、
いまや恒例になったサントリーホールすぐ近くの
「グー・ド・ジョーヌ」へ。

ジュラ地方の貴重なワインを、ジュラ料理、
そして裏メニューの中華料理で堪能しました。
どれも絶品!

ごちそうさまでした。