正統派カティア

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サントリーホールで
カティア・ブニアティシヴィリの
ピアノ・リサイタルを聴いてきた。

ベートーヴェンの「熱情」とリスト、
チャイコフスキー、ショパンの曲によるプログラム。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想
チャイコフスキー:くるみ割り人形(プレトニョフ編曲)
ショパン:バラード4番 ヘ短調 op.52
リスト:スペイン狂詩曲
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番(ホロヴィッツ編)

<アンコール>
ドビュッシー:月の光
リスト:メフィスト・ワルツ第1番
ヘンデル/ケンプ編曲:メヌエット
ショパン:前奏曲 ホ短調 op.28-4

真っ赤なロングドレスで登場したカティア。
彼女を生で聴くのはたしか初めてです。
「熱情」はそっと弾き出して
だんだん盛り上げてなかなか見事。

先月はポゴレリッチの
ガンガン弾く「熱情」を聴いたので、
対比が鮮やかだ。

リストは起伏豊かに弾ききって爽やか。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、
意外な楽しさ。
ショパンの有名なバラードは
情感たっぷりでとてもよかった。

彼女の容姿も含めたファンが多いだろう客席の拍手で
何度も呼び出されてのアンコールは、
手の内に入った十八番のナンバーを見事に弾ききった。

艶やかな外観で
コッテリとした演奏だと錯覚していたけど、
背筋を伸ばした美しい演奏姿勢と同じく、
意外に正統派の腕自慢。
生で観て楽しいアーティストなんだなと
実感したリサイタルでした。

コンサートの後は、
先週初めて訪ねた「グー・ド・ジョーヌ」へ友人と再訪。

今回はオススメのワインを何杯か飲ませてもらった。
どれも個性が際立っていて美味しいワインだ。

〆には、マスターが自分で
いちばん好きだという葱油拌麺を。
これは美味い!

1895年ヴィンテージの
ヴァン・ジョーヌの瓶も見せてもらって、
また楽しい夜になりました。

ごちそうさまでした。