アファナシエフ2017②

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紀尾井ホールでの
ヴァレリー・アファナシエフ公演を観てきました。

前半はベートーヴェン、後半はショパンというプログラム。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番ニ長調Op.10-3,
        第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」
***
ショパン:ノクターン変ロ短調Op.9-1,嬰ヘ長調Op.15-2,
     嬰ハ短調Op.27-1,変ニ長調Op.27-2,ロ長調Op.32−1,ホ短調Op.posch72-1

アファナシエフにしては
意外に普通に弾かれた(笑)第7番は、
生で初めて聴いたけど、分かりやすい演奏だった。

前半の目玉「テンペスト」の第1、第2楽章は、
アファナシエフらしいゆっくりと分析的な演奏。
音の余韻が鳴っている間に、
手をだらんと降ろしたり、髪の毛をかき上げたり、
たっぷりと間と休止をとって、
曲の構成を聴き取るのがかなり難しい。
でも、それぞれの音列の印象はより鮮烈になっていた。
最終楽章は一気に弾き上げて素晴らしいカタルシスを得ることができた。

後半のショパンは、
強靭な強い音から繊細で消え入るようなタッチまで、
明快な開放的な音から夢見るようなくぐもる音色までを、
自在にコントロールして素晴らしかった。
特に、作品27-1が今回の白眉だったと思う。
傑作の大変な名演だったと思う。