ポリーニ!

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サントリーホールでの
マウリッツィオ・ポリーニの
ピアノ・リサイタルに行ってきた。

座席は1階19列4番で
ちょっと遠いけど観やすい席。

ショパン: 前奏曲 嬰ハ短調 op.45
: ポロネーズ第7番 変イ長調 op.61 「幻想ポロネーズ」
: 2つのノクターン op.62
: 3つのマズルカ op.59
: スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
   ***
ドビュッシー: 前奏曲集第2巻

アンコール)
ドビュッシー
:『前奏曲集第1巻』から第10曲「沈める寺」
ショパン
:バラード第1番 ト短調 op.23

サントリーホールで、
マウリツィオ・ポリーニのピアノ・リサイタルを聴いてきた。

前半はオール・ショパン・プログラム。
響きのよい音と流麗なタッチが素晴らしい。
歩く姿はちょっと老いを感じさせた。

私が生まれた1957年から
15歳で演奏活動を開始して、
1960年のショパン国際コンクール優勝、
現在74歳だからしょうがないですね。

後半のドビュッシー前奏曲集第2巻。
これは素晴らしかった!

動き回る音列の面白さと
ピアノの音色が錯綜する色彩感を堪能した。
休憩中に
スパークリングワインを飲んだのが効いたのか(笑)、
感覚も鋭敏になっていたようで、
いつもは曖昧な印象で終わってしまう
ドビュッシーの曲の真髄を少し掴めた気もする。

ポリーニのショパンというと、
オーソドックスな解釈ながら
正確無比な技術とスピードで圧倒されるという印象が強いが、
今回は繊細なタッチと音色の多彩さが
強く印象に残った前半だった。

後半は、
ポリーニのその"繊細なタッチと音色の多彩さ"と
"正確無比な技術とスピード"がバランスよく表現されて、
感動的な演奏になっていたと思う。

アンコールの後は観客が文字通りの総立ち。
花束も次々と10数人の女性から渡されて、
持ちきれなくて笑いをとっていました。

「年齢を考えると
ひょっとしたら次はないかもしれない」
という思いも少しはあったように思います。

稀代のピアニストの円熟の演奏が聴けて、
素晴らしい夜になりました。