震災5周年に「マタイ受難曲」を聴く

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東京芸術劇場での
聖トーマス教会合唱団とゲヴァントハウス管弦楽団による
バッハ:マタイ受難曲の公演を聴いてきた。

座席は1階M列25番。とても観やすい席だった。

●曲目
J.S.バッハ:マタイ受難曲
J.S.Bach: Matthäus-Passion(BWV244)

●出演者
聖トーマス教会合唱団 Thomanerchor Leipzig
ゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester
ゴットホルト・シュヴァルツ Gotthold Schwarz (トーマス・カントール / Thomaskantor)

シビッラ・ルーベンス Sibylla Rubens (ソプラノ/ Soprano)
マリー=クロード・シャピュイ Marie-Claude Chappuis (アルト/ Alto)
※ベンジャミン・ブルンス[福音史家] Benjamin Bruns[Evangelist](テノール/ Tenor)
マルティン・ペッツォルト Martin Petzold (テノール/ Tenor)
クラウス・ヘーガー[キリスト] Klaus Häger [Christus] (バス/ Bass)
フローリアン・ベッシュ Florian Boesch(バス/ Bass)

※体調不良で復員史家はマルティン・ペッツォルトに変更。

予想したよりも
小編成の比較的軽い演奏だった。
合唱部分は少年合唱の透明な響きで
宗教的な雰囲気を出していたが、
間に挟まる
ソロ独奏をフィーチャーした室内楽的な曲では、
ミュージカル的というか演劇的な明るい演奏で、
イエスと弟子たちの人間ドラマが
クローズアップされた印象だ。

第39曲アリアの伴奏の
コンサートマスターの
ヴィブラートのきいた甘いヴァイオリンでは、
ヴィヴァルディ的な躍動感も感じられた。

いつも聴いている
コルボの指揮によるものより
さらに世俗的な印象だ(いい意味で)。
イエスが祈りを捧げている間、
寝ないで仕えようとするが3回も寝てしまい、
「弟子なのか?」と問われて3度も否定し、
イエスが捕まった時には逃げてしまうダメダメな弟子たち(笑)。

彼らがイエスの生きざま(死にざま?)で
目が醒めるストーリーが
より身近に痛切に迫ってくる気がした。

歌手では、福音史家役の
マルティン・ペッツォルトが素晴らしかった。
聴衆からの拍手もいちばん多かった。

最後に考えてしまったのは、
この曲を震災5周年に聴いて
どんな意味があるのかということ。
キリスト教の宗教的な物語をどう捉えるのか?

"人間の愚かさと救済の話"であることに
意味を見出すべきかな?
というのが当面の結論だ。

追記)
コンサートの詳細については、こちらが詳しい。
参考になります。→圏外の日乘 『マタイ受難曲』in 東京芸術劇場