池袋の東京芸術劇場での、
グスターボ・ヒメノ指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の公演を観てきた。
座席は3階A列18番。
3階だけどいちばん前なので、
遠くてもピアニストの手元もよく見えた。
曲目)
チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第2番 ト長調 op.44 (ピアノ:ユジャ・ワン)
アンコール)
スクリャービン:左手のための2つの小品op.9 No.1嬰ハ短調
チャイコフスキー/R.ワイルド編曲:"白鳥の湖"より4羽の白鳥のおどり
***
チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ短調「悲愴」op.74
アンコール)
シューベルト:「キプロスの女王ロザムンデ」作品26 D797より第3幕間奏曲変ロ長調
チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ 作品24
オール・チャイコフスキー・プログラム
の前半は、ピアノ協奏曲第2番。
弾くのが大変な割に地味なのだそうで
あまり聴く機会がないが、
今日のソリスト、ユジャ・ワンに
まさにぴったりの曲だった。
登場した彼女の衣装は、
今回はトレードマークのミニスカートではなく、
紺または黒?の体にピッタリなロングドレス。
よく見たらやはり下の方は透けていて、
実質ミニスカートかな。
半分を独奏カデンツァが占める第1楽章と、
ロシア民謡っぽくもあり、
ガーシュインまたはラヴェル的ともいえる、
キャッチーでテンポのいい最終楽章は、
力強く粒立ちのいいユジャのピアノの本領が発揮されていた。
ヒメノの指揮姿もスタイルがよく、
オーケストラも楽しそうにスイングしていた。
一方で、
緩やかなメロディの第2楽章は、
ヴァイオリンとチェロのソロも加わって
三重協奏曲のよう。
ソリストの美しい弦の音と、
オーケストラの強靭かつしなやかな響きの中で
気持ちよさそうに優しく演奏するユジャには、
以前より大人の雰囲気、色気を感じた。
圧巻のフィナーレの後は、
文字通り万雷の拍手。素晴らしい演奏だった。
以前聴いた時には、
ちょっと力任せのところが気になった彼女だが、
今回はそれが生きた形なのだと思う。
アンコールは、
スクリャービンの左手のための小品。
その後は、
チャイコフスキーの曲芸的な小品を聴かせて、
観衆も大満足。
後半の交響曲第6番「悲愴」は堂々たる名演。
カタログに書かれている
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の特長、
「ビロードのような」弦、「黄金の響き」の金管、
「際立って個性的」な木管のそれぞれが
相まって比類のない音を奏でていた。
ひと言で言うと、
「このオーケストラには、われわれが望むすべてがある」。
まず、音が大きい(笑)。もちろん繊細な弱音、精妙なアンサンブル、
高らかな金管、燻し銀の木管、壮大な全奏によるフィナーレ、
楽しそうに弾く格好よく美しい演奏姿・・・すべての水準が高い。
これまで、
何回か「悲愴」を聴いて構成が散漫な印象を受けていたが、
このオーケストラの手にかかると、
味に例えると、どの旋律どの部分も「おいしい」ので、
全ての部分が楽しい。
先日聴いたウィーン・フィルの艶やかな滑らかさと比較すると、
少し手応えのあるテクスチャーがある
ところが「ビロード」たる所以か。
圧巻だったのは、
あたかも全曲の終わりかのような第3楽章の盛り上がりと、
何度も何度も旋律を繰り返しながら
消え入るように終わる最終楽章だった。
ブラヴォー!
コンセルトヘボウを聴くのはおそらく3回目だが、
毎回最高の感動を与えてくれる。
世界でいちばん好きなオーケストラなのかもしれない。
公演後は、近くの居酒屋「ふくろ」でひと休み。
ん? ウィーン・フィルの後もホッピーだったような・・・(笑)。
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