"お坊ちゃん”多喜二?

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今日の昼は、井上ひさしが
小林多喜二について書いた
「組曲虐殺」を観劇。
新宿からりんかい線直通の埼京線で
天王洲アイルの銀河劇場まで行く。

主演の 井上芳雄 のことは
よく知らなかったが、
高畑淳子山本龍二等が
石原さとみの脇を固める。

劇の内容は、
「彼は死体となって戻ってきた」などという
おどろおどろしい文章の印象とは違った
けっこうしみじみと笑わせる劇になっていた。

最初に
石原さとみが歌い出したときには、
なんとも心許なかったが、
小曽根真の生ピアノ演奏が
ミニマル的だったり、
けっこうブルージーだったり、
いい雰囲気を醸し出していた。

また、小曽根の奥さんだという
神野三鈴が多喜二を助けるいい役で、
張りのある発声で舞台を盛り上げる。

小曽根のコンサートと
こまつ座の劇が同時に見られて、
かなりお得な公演だし、
できもかなりよかったと思う。

満員の観衆も
何度もカーテンコールを要求して、
俳優たちも満足そうだった。

しかし、
多喜二が金に困っていても、
トースト、コーヒー、カレー、
すき焼きなどを食べる描写が出てくるが、
これは史実に基づいたものなのか?
それとも、
彼のお坊ちゃん的性格を
井上ひさしがわざと描いたのか?
ちょっと気になった。