はじめての歌舞伎

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昨晩は、
妻と娘とでシアターコクーンで
コクーン歌舞伎「三人吉三」を観劇。
よく考えたら
はじめての歌舞伎実体験だった。

主役は、和尚吉三(勘三郎)、
お嬢吉三(福助)、お坊吉三(橋之助)。
義兄弟の契りを結んだ
三人の盗賊「三人吉三」が
不思議な縁に翻弄される様を
”因果”をテーマに描いた
内容としては実に凄惨なドラマだ。

今は改心している元盗賊の伝吉が、
将軍の刀を預かっていた安森家から
”庚申丸”という銘刀を盗んだことから
すべてが始まった。

伝吉の息子が和尚吉三、
安森家の長男がお坊吉三、
八百屋九兵衛の
誘拐された息子がお嬢吉三。

その八百屋九兵衛は、
伝吉が捨てた息子・十三を
拾って育てる。
十三の双子の兄妹のかたわれ、
おとせと十三は、ひょんな縁で
それとしらずに結ばれてしまい、
畜生道に落ちてしまう・・・。

その他、さまざまな”因果の律”は、
内容紹介を参照してほしいが、
すべてが絡まって
文字通り”因果応報”そのものだ。

しかし、串田和美の演出
この暗いストーリーを
実に楽しく見せてくれる。

弁当や飲み物が置いてある客席に
役者が踏み込む”客いじり”。
その他、
元のストーリーに仕込まれている
「八百屋お七」のパロディを協調したり、
来月から始まるNY公演をネタに
英語のセリフを入れたり、
笑い声が絶えない演出だった。

他の演出を
見たことがないので比較できないが、
中村福助の現代的で軽い身のこなしと、
中村橋之助のキリリとした立ち姿が
スッキリとした舞台に映え、
椎名林檎の歌も楽しく、
はじめての歌舞伎観劇は
かなり満足できた。

ただ一点、
中村勘三郎の存在感が
やや小さかったのが残念だった。
背が小さいとはいえ、
なにか工夫があっても
よかった気がする。