宮廷料理人の生涯

「宮廷料理人アントナン・カレーム」を読了。
休み休み読んでいたので、
だいぶ時間がかかってしまった。

スラム街から身を起こして
ロシア、イギリス、フランスを股にかけて
活躍する大シェフになった宮廷料理人、
アントナン・カレームの伝記。

お菓子で作る建造物が得意技で、
大宴会の装飾を担当したのが
有名になる最初のきっかけだった。

その後は、
何人かの大シェフから料理の技を学び、
タレーランの外交上の秘密兵器として
その庇護の下で名声を博した。
後のイギリス国王・ジョージ4世など
さまざまな名士に仕えたが、
最後は新興大富豪のロスチャイルドに仕える。

興味深いのは、
料理を一度に出すフランス式から
皿を順番に出すロシア式に
料理の提供作法を変えるのに
カレームが大きな影響があったということ。

また、
料理のレシピを本にして出版したシェフの
先駆者であるということ。

だた、この本によると
彼の人生自体はあまり幸せではなかったようだ。

いずれにしても革命の時代という
生き抜くだけでも大変に時代にあって、
”時代の寵児”となった料理人の話だから、
料理に興味のある人には面白いと思う。