"わが家の最高の家宝であった猫のココには目がなかった。
生まれつき両目がなかった。"
今日の日経夕刊文化欄の宗教哲学者・鎌田東二さんの
「こころの玉手箱」から。
ゴミ捨て場にビニール袋に入れて捨てられていた4匹の子猫。
"4匹の子猫たちは全員目が悪かった。
かかりつけの獣医さんには、
4匹とも育ちませんよと言われた。
2匹の雄猫は早くに亡くなった。
残った2匹はどちらもメスの三毛猫だった。
1匹はモモという名前で、
知り合いにもらわれていった。
モモは片目は白濁していたが、
もう片一方は見えていたので、
日常に支障はなかった。
だがココには両目がないから、
わが家で共に過ごすほかなかった。
しかし、そのココが、
私たちにどれほどの優しさと幸せを教え、
与えてくれたか。
思い出すたびに、胸が熱くなり、
感謝と愛でいっぱいになる。"
普通の猫のように、
警戒したり、威嚇したり、けんかをしたりすることが
一度もなかったという子猫は、
仲良くなる天才だったようです。
"よその猫がやって来て、
ココを見て唸(うな)ったり、威嚇したりしても、
微塵(みじん)も警戒心を持たずに、すりすりとすり寄り、
やがてはいつしか肌を合わせてすやすやと寝ているのだった。"
ココから平和を作る心と方法を学んだそうです。
猫好きとして、泣ける話ですね。
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