料理本リレー

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SNSで料理本リレーというのが行われているのを見て、
料理本マニアとして、
自分が料理が好きになったことに
大きな影響があった3冊の本を勝手に考えてみました。

①やはり、檀一雄『檀流クッキング』
なんといっても文章が美味しそうで、しかも指示が的確です。
「イカのスペイン風」は今でもたまに作ります。
イカをぶつぶつに切って、塩胡椒と酒をまぶして少し置いて、
潰したニンニク一片と唐辛子一本と一緒にオリーブオイルで炒めます。
わが家ではバターで炒めたりもします。
「買い出しほど、好きな仕事はない」という言葉もよく思い出します。

②次は、石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』ですね。
"貧乏人のキャビア"と言われる「ナスのキャビア」をよく作りましたが、
調べると続編の『東京の空の下〜』に収録されてるみたいです(笑)。
『巴里〜』では、スパニッシュ・オムレツですかね。
本の装丁が洒落ているのも魅力でした。

③最後は、水上勉『土を喰う日々』
これは、
母が毎月購読していた「ミセス」で連載時に読みました。
連載は昭和53年のようなので、20〜21歳のころのことですね。
「畑と相談して」「旬を喰うことはつまり土を喰うこと」
という言葉に衝撃を受けました。
"何かを洗ったあとのわずかな水"を、
「どうせ捨てるなら、庭へ出て、これと思う木の根へかけてやれ」
と一喝された寺の小僧時代の経験が、
料理哲学にまで高められているのに感銘を受けました。
私が、
大根の皮や出汁をとったあとの昆布を捨てられないのは
この本の影響だと思っています。