日経の「ねじまき鳥クロニクル」劇評

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"女性ダンサーが横たわる男性に連続的に倒れ込む。
と、シルエットがにじんで見え、
なまめかしさを消した性的交わりが印象づけられる。
小説では井戸が意識下の世界への通路ともなる。
軟体動物のように動く群像が井戸に吸い込まれるのは、
意識の流れの象徴か。"

24日に観劇する前の記事だったのであまり深く読まずにいたけれど、
観た後に読むと見えてくるものもありますね。
イスラエルの舞踊界で活躍する
インバル・ピントの演出・振付が素晴らしかった。

"独創性が際だつため賛否は分かれそうだが、
読書とはまったく異なる鑑賞体験はやはりスリリングだ。
ふたりが演じるトオルのうちの成河、
メイ役の門脇麦ら身体能力の高い役者を配したのも奏功し、
ことにメイが現実世界から呼びかける声の涼しさがいい。"

腹筋運動をしたままのような格好や、
逆さまになりながら台詞を続けた
間宮中尉役の吹越満が印象的でした。