「無人島に持っていくレコード」でお別れ

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

NYタイムズの記者が
「What We're Reading」で推薦していた
ザ・ガーディアンの記事、
For the record: Jonathan Freedland on his sister's farewell Desert Island Discs

素晴らしく、考えさせられるエッセイ。
うまく要約できないので、
ぜひ原文に当たってみてほしい。
それでも少しまとめてみる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大腸がんでの死を覚悟した姉フィオナは、
弟ジョナサンに
ラジオ番組「無人島に持っていくレコード(Desert Island Discs)」
スタイルの遺言を作る手伝いを頼む。
1942年から続く、
30分間で8枚のレコードを紹介しつつ
人生について語る番組だ。

できあがった、
12枚のレコードを紹介した2時間のCDを、
フィオナはまず夫と聴く。
そして時間をかけて2人の娘と一緒に聴く。
そのときには、
すでに話すこともできなくなっていたのだという。

すると、
もともと死んだ後に聴いてもらう
サプライズの予定だったものが、
別の意味を持ち始めた。
近しい友人たちにも聴いてもらうようになると、
それは彼女の「さよなら」の手段になった。

そして弟は考える。
姉はこれが終末期の病気に
アプローチするとてもいい方法で、
死と向き合う者にも、
残される者にも有効だと分かっていたんだ。

そして、このCDを元にして
フィオナの夫と娘たちが現実のラジオ番組
「Desert Island Discs」に
12月30日に登場することになったという。

最後に弟が述懐する。
この50年、
勇敢で聡明で陽気でとても強い姉は、
私に人生について教えてくれただけでなく、
死をどう考えるか、
死とどう向き合うか、
そして残される者たちに美しいものを
どう与えるのかを教えてくれたんだ。