東京国立博物館での
映画「ハーブ&ドロシー」の先行上映会に行ってきた。
図書館司書の妻の給料で暮らし、
郵便局の仕分けをしていた夫の給料でアートを買う。
1LDKのアパートに収まるものしか買わない。
そして、好きなものしか買わない。
そんな、
ごく普通の市井の夫婦が
ナショナル・ギャラリーほか全米50州の美術館に
コレクションを寄付するまでの
軌跡(奇跡?)が描かれている。
ポップ・アートが注目の的の頃に
ミニマル・アートやコンセプチャル・アートに
コレクションのターゲットを絞ったのも
成功の原因だと思うが、
ハーブの着眼の良さに感心させられた。
多くのアーティストと深く付き合い、
その作品の進化の過程に注目し、
小さな試作品的なものも集めていたという。
そのなかでアートの本質を
より深く理解できるようになっただろう事が
映画を観ていると分かってくる。
歩いていける場所に
たくさんのギャラリーや美術館がある
芸術の街NYならではの人生かもしれない。
ハーブの寡黙ながらも辛辣かつユーモラスな話ぶりと、
ドロシーの明晰で知的で優しい人柄に惚れてしまった。
監督のトークも魅力的だった。
11月13日から渋谷で公開とのことだが、
アート好きなら必見!
50州の美術館に寄付をする過程を描いた
続編もあるそうなので楽しみだ。
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