暗?い感動

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珍来亭で食べた後は、
知人からもらったチケットで
新国立劇場でオペラ「ヴォツェック」を観劇。
無調オペラながら人気のある
アルバン・ベルクの作品だ。
ぼくは、以前、
NYのメトロポリタンで観たことがある。
とにかく救いのない暗いストーリーだ。

全3幕を通しで演じるので、
最初に遅れると、
中に入ることができない。
30分以上前に会場へ。

額縁のような舞台装置で
オペラはスタートする。

第2場への変換時に、
額縁が小さくなるので
目の錯覚かと思っていたら、
額縁ではなくて四角い箱が
吊り下げられていて、
下がって行っていた。
前後・上下に動くのだ。

箱の下の舞台全面には水が張られていて、
それが随所で効果的に用いられる。

また、
セックス、殺人は直接描かれることはなく、
それを象徴する人形が使われて表現される。

水の揺らぎを反映させる照明を含めて、
すべてが計算され尽くしている演出だ。

歌手では、
ヴォツェック役がよかったが、
相手のマリー役の
スタイルがいいのがうれしい。

音楽は、どちらかというと
音響を楽しむBGM感覚のものだが、
第2幕第4場の酒場のシーンでの
キャバレー風メロディと、
第3幕第1場の聖書を読むシーンでの
祈りのような音楽が好みだ。
また、
クライマックスの盛り上がりも
素晴らしく感動させられた。