どこで紹介されていたのか忘れてしまったが、
加賀 乙彦「小説家が読むドストエフスキー」を読了。
小説作法的な視点から
ドストエフスキーの主要な作品を分析して
分かりやすく解説してくれる。
カルチャーセンターでの講義を
本にしたというだけあって、
犯罪者に詳しい精神医学の専門家でもある作家が
登場人物の性格分析、
人物の造形法や小説の構造を
くだけた口調で明快に説明している。
なかでも、
「作者の宗教的な主題に光を当てようとした」として
ドストエフスキーのロシア正教的な側面を
えぐり出した視点は新鮮だった。
むしょうに小説が読みたくなる本だ。
ふたたび”濃い文体”の小説の時代が来た気がする。
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