キャメロン・ディアスは相対性理論の夢を見るか?

2005年のベスト書として
何人もから推薦されていた
E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」を読了。

アインシュタインの相対性理論を
   E=mc2
という数式ひとつを示すだけで
描ききった傑作。

E=mc2 という式が、
「すべての物質が
その質量をエネルギーに変換して
爆発的に放出することができる」
という意味であることを、
E、=、m、c、2(2乗)、
それぞれの概念が生まれた背景にある
人間ドラマを中心にして
奇跡的なほどに分かりやすく説明されている。
副題にある「伝記」という言葉の重みが
読んだ後になってはじめて分かる。

高校の物理の授業を思い出してみると、
E=mv2だったと思う。
これは、この本の中でも
車が2倍の速度で走ると
止まるまでに必要な距離が
理論的にはその2乗の4倍になる
という事例で説明されている。

こういった
古典的な物理の概念から説き起こして、
光速の時速10億8000万kmという
とてつもない数字の大きな媒介者(=てこ)によって
物質(=質量)が
いかにすさまじいエネルギーを生むことができるかが
直感的に分かるように見事に説明される。

記述の正確さを論評する資格はまったくないが、
読んで分かった気にさせてくれる点は、
保証します。おすすめです。

本書の「はじめに」の中で、
女優のキャメロン・ディアスが
「E=mc2がいったい何を意味するのか知りたい」
と言っているインタビュー記事を著者が読んだ話が出てくるが、
彼女がこの本を読んだ感想をききたいものだ。