一気に読める「半島を出よ」

ちょっと前になるが、
村上龍「半島を出よ」を読了した。

この小説の評価については
賛否両論あると思うが、
北朝鮮の反乱軍が福岡を占拠、
九州を制圧しようとするという
設定は秀逸と思う。

実際に、
このシチュエーションで日本の首相だったとして、
どう対応できるかを考えてみても
けっこう難しいと思う。

最初の反乱軍チームが
福岡ドームを占拠した時点で
犠牲覚悟で殲滅しない限り
後はどうしようもないという感想を持った。

読後感として際立っているのは、
北朝鮮のメンバーの気持ちが
かなりリアリティを持って迫ってくるということ。

安穏な日々を送っている人間に
あそこまでのリアリティを持った”意志”を
持ち得るかどうか、
考えさせられてしまった。

中田英寿も書いているけど、
最初は多数の登場人物が出てきて大変なのと、
最後がもっと長くてもいいかなと思うが、
じゃあどんな結末がいいのかというと、
このままでいいような気がしてくる不思議な小説だ。

あまりにも話題になっているので
13歳の娘も読んでみたいと言っているが、
この血なまぐさい小説を
はたして薦めていいものかどうか、
迷うところ。