リゲティを聴きながら

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6日にサントリーホールでマウリツィオ・ポリーニのコンサート。

アンサンブル・ウィーン=ベルリンによるリゲティとクルターク。
アッカルド弦楽四重奏団によるシャリーノ。
さらに、それぞれとポリーニがモーツァルトを共演するという
現代音楽とモーツァルトを組み合わせたプログラムだった。
Pollini Projectの全体も古典と現代音楽の組み合わせが
コンセプトになっているようだ。

モーツァルトはどちらも堂々たる演奏。

びっくりしたのは、アッカルドがソロで弾いた
シャリーノの「6つのカプリッチョ」からの3曲だった。

プログラムによると1718年製または1727年製の
ストラディバリウスを使っているというアッカルドが、
「かすれた倍音への強い志向」があるというシャリーノの
蚊の鳴くようなとも、お化けがでそうなともいえる
震える音の「バリバリの現代音楽」を奏でていた。
もちろん、彼に献呈された曲らしいので、
びっくりする方がおかしいのだけど・・・。
それでもクライマックスには、
これまでに聴いたこともないような音色が楽しめた。

もっと驚いたのは、隣のカップルの男性。
最初のリゲティの曲を聴きながら、
しきりにコピーの束をめくっている。
楽譜でも追っているのかと思ったら
なんと彼が「見ていた」のは、
不動産物件の図面だった!