アリス・紗良・オットの"光と闇"

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"不思議なのですが、最近、
ずっと公演を聴いてくれている友人たちから
「演奏に明るさが感じられるね」と言われるようになりました。"

今日の朝日新聞朝刊から、
今年2月に難病「多発性硬化症」を公表したピアニスト、
アリス・紗良・オットさんのインタビューの引用です。
妻が記事を読んで教えてくれました。

昨秋、ドイツでの独奏会の途中で、
左半身のしびれを感じ、
急に手が言うことを聞いてくれなくなり、
中断せざるを得なかったそうです。

「早期に適切な治療を行えば、予後も良く、
普段は投薬治療だけで日常生活を送れる」ということを知り、
今は「寛解」の状態で元通りの穏やかな日々だそうです。

"病を経験し、光と闇、
生と死が隣り合わせだと身をもって知ることになりました。

実際に経験した闇は、これまで感じたことのない深さでした。
でもその分、光の強さが増した。
生そのものが喜びだと知ったのです。
演奏にそれが反映されているのかもしれません。"

「生そのものが喜びだと知ったのです」という言葉が重いですね。