アリスが弾いたリストの"天国と地獄"

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アリス=紗良・オットの
ソロ・リサイタルを聴いてきた。
座席は1階6列2番。
アリスの背中と手元がよく見える席だった。

演奏の前に
トークタイムという面白い趣向があって、
熱烈なファンの多さを感じる。

●曲目
・グリーグ:抒情小曲集より
 昔々 Op.71-1
 アルバムの綴りOp.12-7
 蝶々 Op.43-1
 民謡 Op.12-5
 妖精の踊りOp.12-4
 春に寄す Op.43-6
 小人の行進 Op.54-3
 夜想曲 Op.54-4
 小川 Op.62-4
 小妖精 Op.71-3
 バラード風に Op.65-5
 トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65-6

・グリーグ:バラードOp.24~ノルウェー民謡による変奏曲形式による
   ***
・リスト:ソナタ ロ短調

プログラムの表紙で着ている
爽やかな黄色いドレスで登場した前半は、
グリーグ尽くし。
叙情曲集から12曲と
ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード Op.24。

叙情曲集はやや眠気を誘う曲が多く、
夢見心地にさせてくれた(笑)。
バラードは生で初めて聴いたが、
コンサート向きの分かりやすく
派手なクライマックスが楽しい曲だった。
他の演奏者でも聴いてみたい。

後半はリストのピアノ・ソナタ ロ短調 S.178。
バレエのプリマドンナのような
体にぴったりのドレスは真っ黒!
黒いスワン、あるいは黒魔術師のようで、
ピンポイントの照明以外は真っ暗にしての演奏だった。

「弾く方には地獄というか大変で、
聴く方もけっこう疲れるので、
他の曲と組み合わせにくいんです」と語っていたソナタは、
強奏部はまさに荒れ狂う地獄の嵐のようで、
弱奏部は天国のような透明で清澄な響き。
素晴らしい演奏だったと思う。

アンコールはペールギュントから、
早弾きの曲
第1組曲「山の魔王の宮殿にて」を。
リストのソナタの後では蛇足かな?と思ったが、
目の覚めるような演奏で得した気分(笑)。
満足しました。

終演後は、
サイン会に長蛇の列。脱出するのにひと苦労でした。